目標達成は簡単そうだからではなく、難しいからこそ追求しよう! 大失敗を恐れない者だけが、偉大な事を成し遂げる。

2014年7月25日金曜日

日本語の難易度



ドイツ人に「日本語は難しい?」と聞かれる度に困る。言うまでもなく、「難しいよ」、「難しくないよ」と言う風に簡単に言い捨てることが出来るが、そんな回答、どちらでも出したくない。ではどう答えればいい。まあ、人による。頭の悪そうな人なら、より簡単に流すが、良さそうな人の場合、「長編が宜しいですか、短編」の様に、ある人に言わせれば「回りくどい」回答をする。
 短編の場合、一分ぐらいでこう語る。

  • 文字は5種類を使う。漢字、平仮名、片仮名、ローマ字、アラビアの数字 
  • 単語と単語の間にスペースを置かない(大驚き・・・、へーーー!) 
  • 文法は一瞬簡単に見えるけど、じっくり調べれば、簡単過ぎて、西洋人には理解しがたい部分が多い 
  • 音節は46個しかないから、単語と単語を区別するのが超複雑、

ここまでぐらいに済ませるね。


長編の場合、相手の興味度合いによって、また色々と調整する。
そこでこういう観念をよく述べる。日本人自身が自分の言語の難しさを一体全体意識しているんだろうか。僕はとてもそうは思えないね、と言う。日本人から「うわー、英語難しい、ドイツ語超難しい」と言われるばかりで、自分の言葉の難易度をあんまり分かっていない様な印象は強い。より長編バージョンをこう始める。

先ず第一に、46音節の話
中国語を習い始めた時に、中国語には400個の音節しかないと聞いたら、「へ~、簡単そうだ」と思ったが、実は、皆さんがよくご存知の様に、正反対。音節が少ないほど複雑!日本語では全ての単語は一つか二つ以上の、その46音節のプールから取り抜いた音で出来ている(勿論、一部外来語の例外を別として・・・)。ドイツ語には、46個ではなく、何万個の音節がある!周りの同僚達の名前だけを見ても、10人の名前に、30個以上の異なった音節がある。でもそれは名前だけ。普通の単語にも数え切れないほどいっぱい音節があるので、区別しやすいと思われる。日本語の音節の少ないせいで、多くの単語はお互いに凄く似たり、か、最初から全く同じだったりすることもある。上の「興味の持っている人」にも次の有名な例を挙げる。

  • こうか(効果、硬貨、降下、公課、硬化、考課)等々 
  • きじ(記事、生地、雉、木地) 
  • たいせい(体制、体勢、態勢、大勢、胎生、退勢)等々 
  • はかる(測る、図る、計る、量る、諮る、謀る) 
  • つとめる(務める、努める、勤める、勉める) 
  • おさめる(収める、治める、納める、修める)

こういった様な、あくまでも典型的な例だけでも、その音節の少ない事の難しさが分かるであろう。

日本文字の任意さ
西洋の言語でのアルファベットの文字の変わりに、日本語には音節に当てはまる音節文字(仮名)があるということは、誰にでも説明出来る。それに現在、純の日本語の単語の為に平仮名があり、外来語や強調したい単語の為に片仮名もある、つまり二つの文字類。それは、まぁ、またインテリの誰にでも納得して貰える。但し、その上に漢字も使われていると言ったら、先ず相手が顔を顰める。「なんで?」って聞く。そこで、上で説明した同音同訓の話をまた持ってきて、漢字は、ある意味で、一般生活の二つの事と比べられるよー、と言う。

  • 速記。いつも仮名ばかり書かなくてはならないのであれば、文章は長くなる他に、日本人にすら、単語と単語の区別が難しくなる、と言ったら、なるほど、それは便利だね、という回答を聞く場合がある。 
  • ピアノ。ピアノの8284個の鍵盤には一体なぜ黒鍵があるか分かる?と聞いたら、大体分からないが、あれは日本語の文章の中の漢字と同じ様な役割を果たしているよー、つまり区別できる為の手段だよー、と言ったら、大変そうだが、大体納得して貰える。

 また上記の同音異義語、同訓異義語に戻ればこう言える。単語の発音は同じなのに、みんな意味が違う。さてどう区別すればいいか。それは(一部発音での抑揚の違いを除いて)文脈で分かるが、書き言葉ならそれこそ異なった漢字で認識できるよ、と説明する。初耳の人はここでそろそろ疑い始める。こんな複雑な仕組みは聞いたことないよー、との事。
はい、そこで追加説明としてはこう言う。漢字の多くには二通り以上の発音がある。中の音読みはより中国語に由来している、訓読みは純の日本語。ただ、音読みと言っても、いつの時代、何処の誰が日本の何処に、ある漢字を持って行ったかによって、発音は違う。そんな例は無数にある。発音の違いの背景を上手く理由付けたら納得してもらえるが、訓読み、つまり元々純の日本語であるはずの訓読みにも二つ以上の読みがある場合があるよー、と言ったら終わり・・・。もう理解して貰わない!

ただ、日本の漢字使いの複雑さはそれでまだまだ終わらない。一個の漢字に意味があるが、大体まだ単語にならない。先ずは他の漢字との組み合わせで初めて単語が出来る。それもある程度分かってもらう。但し遅くても、漢字の前と漢字の後に何が書いてあるかによって、漢字の発音が変わってくると説明する段階で、みんなが逃げちゃう、それは考えられる範囲を大幅に超える。そして、この反応は何よりも正しい。

ドイツのWikipediaには日本語の文字使いは「世界一番複雑」という風に描かれている。一番複雑で、何よりも一番勝手でもあるよ、と僕が付け加えたい。複数の音読み、複数の訓読み、当て字、例外読み、人名、地名、新造語、何でもあり、日本語の文字は、確かに・・・。

因みに、大体の人はこの説明で「もういいよー」と言うと上で述べたが、中には僕みたいな変な奴もいて、「こんな複雑であるならこそ、勉強したい!」と言う人もいる・・・。

日本語、言語として
ビデオでもブログでも散々話したと思うが、日本語の豊富さに未だに毎日、毎日の様に呆れる!それは特に漢検の為の勉強の枠内で痛感している。
慣用句、諺、言い回し、仏教、神道、道徳、孔子や老子の教え、二字、三字、四字熟語、形容詞や動詞の多さ、古典語、現在語、口語、俗語、僕の大悩みの擬声語、擬態語、擬音語、あとまたまた毎日新しく発見する、純の純の日本語、つまり品詞の決め難い、仮名でしか表さない様な言葉(「やれやれ」とか・・・)。

一つは決まっている。西洋人(アメリカ人を除いて(笑))は西洋の別の言葉を勉強始める時に、文字は既に知ってるので、その言語自身に集中すればいい。勿論、ここにも諺等々があるが、キリスト教の文化は共通しているし、お互いのギリシア語またはラテン語の由来のお陰で、東アジアの言葉と比べて、割と簡易的に身に付けられる、割と・・・。だが、日本語を勉強始める時に、二つ、いや三つの言語ぐらいには同時に着手した感じがするに違いない。

日本語には定冠詞もないのに、不定冠詞もない、名詞には性別はないし、人称代名詞によって変化もしない。代名詞、所有代名詞等々の格変化もないし、形容詞の変化を一回覚えれば大丈夫だが、名詞の性別か単数か複数等の事情によってそれ以上変わったりはしない。あと、五段活用の原理を研究すれば、今度どんな新しい動詞がやってきても、変化できる。それにも関わらず、ふーくーざーつー!

スペイン語に悪いかもしれないけど、スペイン語の勉強は、もう存在していない国の切手の収集と比べられる。いつか、念願の切手はみんな手に入って、その国の切手収集は完了すると、面白みがゼロに落ちる。日本語の場合、まだ存在している、枚数的に言えば膨大の切手を毎年発行する国の物と例えられるだろう。切りがないということ・・・。

いやー、日本語は僕にとって永遠たるテーマである。日本語能力検定試験の一級には26年も前に合格したが、まだまだ気が済まない。今度日本に行く時に漢検も受験したい。一年前に投稿したビデオでは、漢検をあまり重視していないという様なことを言ったと思うが、それは大分変わった。今度受験する時に、同じ日に5級や4級に挑戦してみたい。5級には自信がある、4級はやばい(かなぁ?)。問題は部首、筆順、四字熟語。

皆さん、部首には自信ありますか?では教えてください。「私」の部首はなんでしょう?勿論「禾」(のぎへん)ですよね。では、「和」の部首は何でしょうか?同じ「禾」・・・?いいえ、正式は「口」(くち)ですよ~。覚えていました?ならいいけど、多分皆さんの多くの場合、意外な事だったでしょう。漢検にはこの様な例外は他にもいっぱい出てくる。筆順も多くの人は適当に書くでしょうね。でも漢検ではそれは厳しく制裁される。大変だよー、実に・・・。

でも、だからこそ、日本語の勉強は僕の人生の中軸であり、永遠にこの場を失わないだろう!

誓うよ~


8 件のコメント:

  1. まちぱな私。2014年7月25日 15:18

    漢字検定がんばれ!!( ´ ▽ ` )ノ

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  2. >「口」(くち)ですよ~。覚えていました?
    ええ~そうなんですね?
    ちょっとした驚きです。

    ではお返しに驚きの情報を一つ。
    実は日本語の言葉にヘブライ語に非常に似ているものがたくさんあるらしいのです。

    googleで検索するといろいろでてきますが例えばこれ。
    wave.ap.teacup.com/renaissancejapan/276.html

    「大和民族はユダヤ人だった 」の著者であるユダヤ人言語学者ヨセフ・アイデルバーグは、 カタカナとヘブライ語の驚くほどの類似性を指摘していた。また、日本語の中にヘブライ語の単語が混在していることも指摘していた。

    ちょっとした驚きでしょ?
    日本語だけではなくヘブライ語にも詳しいロルちゃんのご意見をお聞きしたいですね。

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  3. やっぱりまったく違う言語のシステム側から他のシステムを見たら難しいと思うもの
    確かに「生」って漢字の読み方を一つとっても「なま」「せい」「しょう」「き」「う」「い」「は」・・・・と数え切れない程あると思うと外国人の方には申し訳なくなるけどね(笑)
    でもドイツ語だって覚えること多すぎるからお互い様でしょ!

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  4. 日本人は無意識に単語を ひらがな(カタカナ)と漢字の対にして理解しているので、逆に日本人にとって ひらがな(カタカナ)だけの文章を読むのは難しいし、意味が解らなくなる時がある。

    日本語初心者の外国人は、会話で助詞の使い方を間違えることが多いが、基本的に、漢字を完全に習得することが、外国人にとって日本語学習の最も困難な部分なのではないか。


    自分はフランス語もドイツ語も読めるが、ドイツ語は文法が規則的なので個人的にはフランス語の方が難しく感じる。 ドイツ語でめんどくさいのは、名詞の性(男性・中性・女性)をいちいち覚えなければならないこと。

    しかしながら、だからといってドイツ語よりも名詞に性がない英語の方が簡単かというとそうでもない。 英語は慣用句が非常に多いので、それらを完全に使いこなすには年数がかかると思う。

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  5. 「和」の部首は「口」。知ってました!やったネ☆
    ところが「利」の部首は?って聞くと日本人の多くは「禾偏」ではなく「りっとう」だと答えると思います。(たぶん多くの日本人はそう答えてくれるはず?w)
    不思議ですね。

    偏→漢字の左側、旁(つくり)→漢字の右側。他に冠(かんむり)、垂(たれ)、にょう、構(かまえ)、脚(あし)全部で7個(7個であってるはず・・・)は漢字の構造を指す言葉に過ぎないのですが、
    人偏、木偏、手偏etcというから偏=部首だと勘違いしている日本人は多いのです。

    ロルちゃん、「私」の部首は「禾偏」ですが、では、「秀」の部首は何でしょう?

    正解は「禾」です。
    「秀」の「禾」は偏ではないので「禾偏」と答えると間違いになってしまいます。

    日本語難しいー。でも、部首の分類に関しては中国の書物を元に分類しているので日本語というよりは中国語ですね。

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  6. 日本語、複数形もないし、男性・女性など分かれてないし、簡単だと思ってたんですが、ロルちゃんのブログを読んで、改めて日本語って結構むずかしいんだなーと思いました。音節が46しかないというのも、言われてみてはっとしました。そんなに少なかったんだ~と。読みが同じで漢字が違う単語、確かに多いですよね・・・。入門の日本語ではローマ字読みで始めますけど、上級日本語となると、漢字を学ばないと、全然理解できないですよね。ローマ字表記で同じになることばが多すぎるので。日本語は覚えることが無限にあるので、ロルちゃんの語学学習意欲をそそるのですね。納得。

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  7. 漢検か~、高校受験のために中学生の時に三級取ったな・・・

    そういえばロルちゃんは「変体仮名」は知っていますか?
    大正時代まで使われていた、平仮名の異性体です。(現在では書道などで細々と使用されています)
    なかなか芸術的な形をしているのでぜひ調べてみて下さいね。

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  8. 定冠詞 不定冠詞がない、名刺の性数格がない、形容詞や動詞が人称変化しない、というのは多くのヨーロッパ人にとっては不可解極まりないと思います。私もder die dasでなんでこんなに複雑な変化をするんだろうとおもったこともあります。
    また日本語の動詞・形容詞の活用は主語ではなく、未然や連用といった「conjugation form」なのでsubjectかconjugationかの違いでしかないと思っております。見方を変えれば、それほど違いはないと思います。

    日本語のさらなる上達を目指し日進月歩の毎日であることを非常に素晴らしいと思っております。ここで一つ提案がございます。日本の古語にも手を付けてみてはいかがでしょうか。無論カンペキにしろとは申し上げませんが、あのややこしい敬語の意味やナチュラルな使い方を勉強できると思います。現代語の知識だけでは、満足に敬語を理解することは難しいと思った次第です。

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