目標達成は簡単そうだからではなく、難しいからこそ追求しよう! 大失敗を恐れない者だけが、偉大な事を成し遂げる。

2013年9月25日水曜日

ドイツの総選挙

数日前にドイツの総選挙があった。
メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)とその姉妹党のCSUは計41.5%の投票率を得て、前の選挙よりも7.7%増で終わった。社会民主党(SPD)は25.7%、「緑の党」は8.4%、「左の党」も8.6%との結果が出た。世界中、メルケル首相の「圧勝」が報道されたが、連立政権を作るのにこれから困難な道を歩まないと駄目になるであろう。


上の計算で早速不思議に思われそうなのが、100%までの足りない分。そこで、ドイツの選挙制度の特徴を取り上げないといけない。それは、5%未満の投票率は切り捨てられることになるということ。ここ4年、CDUと連立政権を握っていた自由民主党(FDP)は14.5%からなんと4.8%にも落ちたので、戦後で始めて国会に議員を送らない事になる。半年前に出来たばかりで、ユーロ等を拒否している新党「ドイツの為の同名」も4.7%で切り捨てられ、その他にも、「海賊党」は2.2%(海賊党のビデオも宜しく・・・)で、残りの4.1%はその他、無数のミニ党の投票もみんな国会進出の対象にならない。


圧勝と言えども、メルケル首相の41.5%は国会での議席の絶対間半数にぎりぎり足りないので、連立政権のパートナー無しではどんな党でもが政権を握れない。そこで、更に顔をしかめる方がいらっしゃるかもしれないので、言おう。計算的にも、論理的にも、SPDが緑の党と左の党、三党ともで連立政権を作る事が出来るが、左の党とは絶対連立政権を作らないと選挙前にSPDが誓ったので、この手はない。

では、全体的にどんな政権は考えられるか。
  1. CDUプラスSPD(第一候補)
  2. CDUプラス緑の党(可能が、難しい)
  3. CDUプラス左の党(絶対皆無)
  4. SPDプラス緑の党プラス左の党(上で書いた様に、今回はしないと宣言)
  5. CDUは少数政権を創立させる(長続きは難しい)
  • 1の可能性は一番高いが、計算や論理上ではSPDには4の選択肢もあるので、SPDがCDUを今現在少し待たしている。「連立政権のパートナーを必要とするのが我々ではなく、メルケルさんだ」との事で、「急いでいない」と言っている。
  • 2が実現にもかなり無理がある。バイエルン州でしか活躍していないCDUの姉妹党であるCSUは緑の党とは上手くいかないので・・・。
  • 3は言うまでもなく、絶対あり得ない、絶対・・・。
  • 4は今駄目であっても、4年後の選挙の時に、SPDでは恐らく新しい党首や新しい世代の議員達は物を言う事になるので、4の選択肢は将来あり得る、と報道陣も言っている。ところで、選挙の前で「左の党とは絶対組まない」とSPDに言われたのに、左の党はSPDや緑の党に対して「一緒に政権を作ろうよ!」と呼びかけている。そして、SPDの中にはそれに答えたがっている派もいる。なので、いくらメルケル首相の圧勝で終わったと言っても、ドイツには極左の政権が誕生する危険はまだまだ100%無くなったとは言えない。
  • 5の可能性も基本的にあるが、大体長続きはしない。少数政権では、与党がどんな政策をとろうと思っても、自分の議員達の賛成だけでなく、毎回毎回他の党の何人かの議員達の賛成も得ないと、何の法律も通せない。よって、推薦できないやり方だと断言できる。

ところで、自民党の政策パンフレットに対しての僕のエッセー集には、読者の一人が「左派のロルちゃんと名前を変えてください。」と僕に言った・・・。その人に言おう。三つの左派の政党がドイツで政権を握るようになったらという事情に備えて、僕は選挙の日にTwitterにこの文章をツイートした。「2013年9月22日。ドイツ時間で午後3時ちょっと過ぎ。ドイツの総選挙の結果が発表されるまであと3時間弱。左派の政権になったら、僕は遅くとも来年末までに再び移民する・・・笑」。

ドイツの選挙には一つ注目すべき所がある。投票が行われる当日の午後6時0分の10秒後、アンケート調査機関が各選挙区に当日行ったアンケートの結果が発表される。今回のこれできた推測に過ぎない数字は最終結果とは僅か0.5%ぐらいしか違っていなかかった。それでも、開票が始まってから大体13分後にも初めての開票結果も発表される。

因みに、もう一つ言わないでいられない。「左」はドイツ語で「links」と言う。右は「rechts」。面白い事で、「links」のもう一つの意味は「ずるい、信用できない」ともあり、「rechts」は「正しい、合法的」の意味合いも持っている。
この知識を背景に、2013年9月22日の18時に結果が発表された時を想像しましょう。各党の本部には、数百人ずつの応援者達がドキドキしながら、大きなスクリーンで発表される数字を見ている。 そこで、まず発表されるのが
  • CDUの結果。8%の増でどこでもみんが「しょうがないなぁ、メルケルさんのお陰で・・・」で溜息して終わり。勿論、CDU本部では喜びの悲鳴・・・。
  • 次に発表されるのがSPDの結果。僅かの3%前後の増でがっかりした反応はメーンだった・・・(CDUではほっと・・・)
  • その次に発表されるのがCDUの連立パートナーであったFDP。切り捨ての5%以下という結果が発表されたら、CDUでは「お、おー、大変、今までのパートナーが議席を獲得できなくって・・・」という反応だった。FDP本部では無論、巨大ショック!しかし、緑の党の本部では三番目にFDPの結果が発表される時にも悲鳴が出たが、それは嘲笑いの悲鳴だった。「FDP死ね」と叫んだ人もいた・・・。そして、左の党の本部でもこんな反応が見えた・・・。
  • ところが、僅か30秒後に、緑の党や左の党の両本部で自分自身の党の結果が発表されたら、2~3%ずつの減で同じく大ショック、・・・。30秒前まで競合相手の不運を喜んで、嘲笑いまでしてしまい、自分の党の結果は少ないことでショックの連中に対して僕は一つしか言っていられない。緑の党、左の党、ざまみろ!嘲笑いで競合相手の政治的死去を喜ぶのは下品で、人間的にレベルが低い。
左の党の選挙戦の一つのスローガンは「住居は商品ではない」となっていた。要するに、彼らの考え方では、市民みんなが同じ様な住まいに住まないといけないということである。そして、住まいは商品ではないので、家賃も近距離電車賃や電機代や水道代と同じ様に、みんなが人権の一つなので、国がそれらを全部無料に市民に提供しなければならなくなる・・・。こんな楽園的な状況を作ろうと思った例は歴史上幾つかあるが、みんなが、例外無しに、大失敗で終わった・・・。従って、社会主義・・・出て行け!



1 件のコメント:

  1. ビスマルク2013年9月28日 3:12

    以前、「左派のロルちゃん」と言った者です。

    あなたが「ドイツ右派のロルちゃん」であることを認めます。

    今後、「左派のロルちゃん」と言わないことを約束します。

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